福島第一原発では汚染水を巡るトラブルを未然に防

  東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題で、国の有識者会議が策定した汚染水を巡って想定されるリスクと対策の案の内容が明らかになりました。

  建屋にたまった汚染水の漏えいを防ぐ新たな対策のほか、今行っている対策がうまくいかなかった場合の二次的な対策の必要性を示しています。

  福島第一原発では汚染水を巡るトラブルを未然に防げていないことから、国の有識者会議が想定されるリスクの洗い出しと追加対策の検討を進めています。

  策定された案によりますと、今後、対応が必要なリスクとして、建屋にたまっている汚染水の漏えいや地震などによるタンクの破損、それに敷地内で容器に保管されている高濃度の放a射性廃棄物の漏えいなどを挙げています。

  対策としては、建屋の地下に排水ポンプを設置して、たまっている汚染水の水位をコントロールすることや建屋に押し寄せるような津波に備えた防潮堤の新設、タンクが壊れた場合に大量の汚染水を速やかにほかの施設に移す方法を構築することなどが必要だとしています。

  また地下水が建屋周辺に流れ込む前にくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」などの効果が十分でない場合に備え、地下水の流入を抑える技術を検討するなど、二次的な対策の必要性を示しています。

  この案は27日開く会議で示され、今後、現地調査などを行って年内に取りまとめることにしています。国は建屋周辺の地盤を凍らせる「凍土壁」などの対策を行う計画ですが、技術的な課題もあり、いかに失敗への備えやリスクの洗い出しをしながら対策を進められるかが課題になっています。

今月19日に函館線で起きた貨物列車の脱線事故

  JR北海道が基準を超えたレールの幅などを補修せずに放置していた問題で、基準を超えているレールが新たにおよそ170か所で見つかったことを受けて、JR北海道は記者会見で「信頼を裏切る失態で、深く深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

  JR北海道では、今月19日に函館線で起きた貨物列車の脱線事故の現場付近など97か所で、レールの幅などが基準を超えていたにもかかわらず、補修をせずに放置されていたことが、すでに明らかになっています。

  さらに、24日夜までの社内調査で、レールの幅が補修が必要となる基準を上回っていたのが、新たに7つの路線のおよそ170か所のカーブで見つかり、JR北海道は25日午前8時から豊田誠鉄道事業本部長らが記者会見を開きました。

  この中でJR北海道は、レールを補修するかどうかの基準値には旧国鉄時代の昭和60年を境に2種類がありますが、今回は担当者が古いレールに誤って新しいレールの基準値を用いるミスをしていたと説明しました。

  また、なかには新旧2つの基準値が存在することすら知らなかった担当者もいたということです。

  たび重なるずさんな実態に、豊田鉄道事業本部長は「信頼を裏切る失態で、深く深くおわび申し上げます」と改めて陳謝しました。

  JR北海道では、25日午前9時半までにすべての箇所で補修を終えましたが、これまでに16本の列車が運休したほか、一部の区間で遅れが続いています。

札幌行きの特急列車のブレーキの部品

  24日、JR北海道石北線の網走駅で、札幌行きの特急列車のブレーキの部品がなくなっているのが見つかり、列車が出発ができず、網走と遠軽の間が運休となりました。

  24日午後4時半ごろ、JR石北線の網走駅で午後5時18分に出発する予定だった札幌行きの特急列車のブレーキの部品がなくなっているのを点検していた作業員が見つけました。

  なくなっていたのは、列車を減速させるために車輪に押しつけるブレーキを車両につなぐ部品で、列車は出発することができず、網走と遠軽の間が運休となりました。

  また、このトラブルに伴って、JR北海道は札幌から網走に向かっていた特急列車を網走の手前の遠軽で停車させ、遠軽と網走の区間は代行バスを運行させました。

  このトラブルで、合わせて170人に影響が出たということで、JRは原因を調べています。

社内基準を超えていたレールの幅などを補修しないまま放置

  JR北海道が、社内基準を超えていたレールの幅などを補修しないまま放置していた問題で、国土交通省は、当初23日までとしていたJR北海道に対する特別保安監査を今月27日まで延長し、レール以外にも範囲を広げて調査することを決めました。

  JR北海道では、今月19日に函館線で起きた貨物列車の脱線事故の現場付近など97か所で、レールの幅などが社内の基準を超えていたのに補修せず、放置されていたことが明らかになりました。

  国土交通省は21日からJR北海道に対し、鉄道事業法に基づく特別保安監査を行っていて、レールなど土木分野を中心に調査を進めてきました。

  しかし、レールで多くの規程違反が見つかったことから、車両整備や運転管理など、ほかの分野にも範囲を広げて調査を行う必要があるとして、当初23日までとしていた特別保安監査を、今月27日まで延長することを決めました。

  これに伴って国土交通省は、新たに電気設備や車両整備、それに運転管理の分野に詳しい職員を派遣し、メンバーを4人から9人に増やして調査を行うことにしています。

三重県松阪市のファミリーレストランの駐車場

  22日午後、三重県松阪市のファミリーレストランの駐車場で、4歳の男の子が母親の運転する乗用車にはねられて死亡しました。

  22日午後1時半ごろ、松阪市大黒田町のファミリーレストランの駐車場で、亀山市みずきが丘の保育園児、今井涼大ちゃん(4)が乗用車にはねられました。

  この事故で涼大ちゃんは頭などを強く打ち、病院に搬送されましたがおよそ1時間半後に死亡しました。

  警察の調べによりますと、乗用車は涼大ちゃんの29歳の母親が運転していて、当時、55歳の祖母と6歳の姉と共にファミリーレストランを訪れ、母親以外の3人が入り口の前で車を降りたあと、涼大ちゃんが2メートルほど離れたところではねられたということです。

  警察は詳しい状況や事故の原因を調べています。

東日本大震災の被災者の生活再建を支援

  東日本大震災の被災者の生活再建を支援しようと去年、設けられた相談窓口に1年で1000万件を超える電話が寄せられたものの、ほとんどは東京など都市部からで、震災を背景としていない相談が96%を占めていることが分かりました。

  相談窓口が不足しているために行き場のない声が殺到したとみられています。

  この電話相談「よりそいホットライン」は、被災地の自治体の市長などが理事を務める社団法人「社会的包摂サポートセンター」が厚生労働省の補助金を受けて去年3月に始めました。

  全国36か所に窓口を置き、24時間、通話料も無料で相談を受け付けています。

  ことし3月までの1年間に寄せられた電話はおよそ1088万件に上りましたが、東京や大阪など都市部からの電話がほとんどで、1万件を抽出して調べたところ、震災を背景としていない相談が96%を占めました。

  このうち53%は「病気」についての悩みで、次いで23%が「障害」について、「生活苦」などの経済的な悩みが18%でした。

  被災者ではない人からの電話が殺到したことについてセンターでは、経済的に苦しくてもかけられるような通話料も無料の相談窓口が不足しているためではないかと分析しています。

  しかし、「よりそいホットライン」も電話がつながりづらい状態が続いていて、相談員が話を聞くことができたのは38万件と3.5%にとどまっているということです。センターの代表理事で、岩手県宮古市の医師、熊坂義裕さんは「困ったときの駆け込み寺のような場所をもっと国が整えていくべきだ」と話しています。

  今年度からは被災地専用の電話番号を設けたということで0120-279-226、その他の地域からは0120-279-338で受け付けています。

去年の衆議院選挙で自民党の徳田毅議員を支援

  去年の衆議院選挙で自民党の徳田毅議員を支援するため、大手医療法人「徳洲会」グループが違法な選挙運動をした疑いが持たれている事件で、東京地検特捜部は20日、鹿児島市にある徳田議員の事務所の捜索を始めました。

  この事件は、去年12月の衆議院選挙で鹿児島2区から立候補し当選した徳田毅議員の陣営に、徳田議員の父親の徳田虎雄元衆議院議員が理事長を務める大手医療法人「徳洲会」グループが多数の職員を運動員として派遣し、その報酬を負担していた疑いが持たれているものです。

  東京地検特捜部は今月17日に強制捜査に乗りだし、これまでに東京・千代田区にある医療法人徳洲会の東京本部や理事長が入院している神奈川県の徳洲会系列の病院などを捜索しました。

  そして20日、新たに鹿児島市にある徳田毅議員の事務所の捜索を始めました。

  事務所には午前9時前に10人余りの係官が入り、去年の選挙に関係する資料などを調べているものとみられます。

  特捜部は資料を押収するなどして、徳洲会が展開したとされる違法な選挙運動に徳田毅議員本人が関わっていなかったか慎重に調べることにしています。