東日本大震災の被災者の生活再建を支援

  東日本大震災の被災者の生活再建を支援しようと去年、設けられた相談窓口に1年で1000万件を超える電話が寄せられたものの、ほとんどは東京など都市部からで、震災を背景としていない相談が96%を占めていることが分かりました。

  相談窓口が不足しているために行き場のない声が殺到したとみられています。

  この電話相談「よりそいホットライン」は、被災地の自治体の市長などが理事を務める社団法人「社会的包摂サポートセンター」が厚生労働省の補助金を受けて去年3月に始めました。

  全国36か所に窓口を置き、24時間、通話料も無料で相談を受け付けています。

  ことし3月までの1年間に寄せられた電話はおよそ1088万件に上りましたが、東京や大阪など都市部からの電話がほとんどで、1万件を抽出して調べたところ、震災を背景としていない相談が96%を占めました。

  このうち53%は「病気」についての悩みで、次いで23%が「障害」について、「生活苦」などの経済的な悩みが18%でした。

  被災者ではない人からの電話が殺到したことについてセンターでは、経済的に苦しくてもかけられるような通話料も無料の相談窓口が不足しているためではないかと分析しています。

  しかし、「よりそいホットライン」も電話がつながりづらい状態が続いていて、相談員が話を聞くことができたのは38万件と3.5%にとどまっているということです。センターの代表理事で、岩手県宮古市の医師、熊坂義裕さんは「困ったときの駆け込み寺のような場所をもっと国が整えていくべきだ」と話しています。

  今年度からは被災地専用の電話番号を設けたということで0120-279-226、その他の地域からは0120-279-338で受け付けています。