福島第一原発では汚染水を巡るトラブルを未然に防

  東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題で、国の有識者会議が策定した汚染水を巡って想定されるリスクと対策の案の内容が明らかになりました。

  建屋にたまった汚染水の漏えいを防ぐ新たな対策のほか、今行っている対策がうまくいかなかった場合の二次的な対策の必要性を示しています。

  福島第一原発では汚染水を巡るトラブルを未然に防げていないことから、国の有識者会議が想定されるリスクの洗い出しと追加対策の検討を進めています。

  策定された案によりますと、今後、対応が必要なリスクとして、建屋にたまっている汚染水の漏えいや地震などによるタンクの破損、それに敷地内で容器に保管されている高濃度の放a射性廃棄物の漏えいなどを挙げています。

  対策としては、建屋の地下に排水ポンプを設置して、たまっている汚染水の水位をコントロールすることや建屋に押し寄せるような津波に備えた防潮堤の新設、タンクが壊れた場合に大量の汚染水を速やかにほかの施設に移す方法を構築することなどが必要だとしています。

  また地下水が建屋周辺に流れ込む前にくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」などの効果が十分でない場合に備え、地下水の流入を抑える技術を検討するなど、二次的な対策の必要性を示しています。

  この案は27日開く会議で示され、今後、現地調査などを行って年内に取りまとめることにしています。国は建屋周辺の地盤を凍らせる「凍土壁」などの対策を行う計画ですが、技術的な課題もあり、いかに失敗への備えやリスクの洗い出しをしながら対策を進められるかが課題になっています。