天理大学柔道部で上級生が下級生に平手打ちなどの暴力

  天理大学柔道部で上級生が下級生に平手打ちなどの暴力を加えていた問題で、全日本柔道連盟は5日、監督などを呼んで聞き取り調査を行いました。

  聞き取り調査は天理大学柔道部の藤猪省太部長や土佐三郎監督など3人を東京都内の柔道連盟に呼んで、およそ3時間にわたって行われました。

  奈良県天理市にある天理大学の柔道部の寮では、ことし5月から7月にかけて4年生の部員4人が1年生部員、十数人に対して顔を平手打ちするなどの暴力を振るい、1年生部員1人が鼓膜が破れるけがをしていて、5日の調査では事実関係は確認できたということです。

  しかし、4年生部員のうち、なぜ6人だけが、最初の暴力行為があった現場にいたのかや、暴力行為が行われた原因や背景ははっきりしなかったため追加の調査を求め、その結果について週明けに改めて3人を呼んで聞くことになりました。

  全日本柔道連盟の近石康宏専務理事は「問題の原因や背景がはっきり分かるように調査したい。暴行した選手たちは1年生がたるんでいるから教育をし直そうとやったようで、当初は罪悪感もなく、重大と思っていなかったようだ。認識の甘さを感じる。暴力根絶に向けた取り組みを、より強化したい」と話しました。

  藤猪部長は先月21日に全日本柔道連盟の理事に就任していましたが、辞表が受理され、5日付けで辞任しました。