福島第一原子力発電所の汚染水をためているタンクの表面

  福島第一原子力発電所の汚染水をためているタンクの表面で、極めて高い放射線量が計測された問題で、タンクの継ぎ目に使われている止水材と呼ばれる樹脂が外側にはみ出しているのが見つかり、東京電力は、止水材の劣化が原因の可能性があるとみて詳しく調べています。

  福島第一原発では、3号機の山側にあるH3と呼ばれるエリアのタンクで先月31日、放射線の1種のベータ線が1時間当たり1800ミリシーベルトという極めて高い値で計測されるなど、合わせて3か所、放射線量の高いところが見つかりました。

  いずれもタンクの鋼鉄製の板の継ぎ目の部分で高い値が計測されていて、3か所とも板と板の間から止水材の一部が外側にはみ出していました。

  止水材は水を含むと膨張する樹脂製で、汚染水がしみ込むため、本来は外側に出ないように使われますが、東京電力ではこれが劣化するなどして表面に出て高い放射線量が計測された可能性があるとみています。

  実際に水が漏れた跡や真下の床面での高い放射線量は確認されていないとしていますが、止水材の劣化は汚染水漏れにつながるおそれがあるとして、詳しく調べることにしています。

  福島第一原発では2日も新たに、H6というエリアにあるタンクの1つで、ベータ線が1時間あたり100ミリシーベルト以上の高い値で計測され、タンクの点検を強化して以降、相次いで、放射線量の高いところが見つかっています。