3種類の安全装置が作動しても自動の非常

  JR北海道の特急列車がATS=自動列車停止装置など3種類の安全装置が作動しても自動の非常ブレーキが掛からないまま運行されていたことが分かりました。

  JR北海道は、最悪の場合、事故につながるおそれがあったとして詳しい原因を調査しています。

  これはJR北海道が8日未明に会見して明らかにしたものです。

  JRによりますと、札幌と網走を結ぶ特急「オホーツク」の車両について7日、定期検査を行ったところ、ATSなど3種類の安全装置が作動した際に自動で働くはずの非常ブレーキが掛からないことが分かったということです。

  JRによりますと、自動の非常ブレーキは停止信号で止まらなかった場合などに空気圧を使って働く仕組みになっていますが、この車両では空気を通す管のコックが閉められブレーキが掛からなくなっていて、ことし7月の検査では異常は見つからず、6日まで運行していたということです。

  このコックは、運転席の下にある機械室の中にあり、鍵がかけられ通常は触れることがないため、JR北海道は、検査後に人為的なミスでコックが閉められた可能性が高いとしています。

  JRは手動式の非常ブレーキは正常に機能していたとしていますが、運転士に不測の事態が起きるなど最悪の場合は列車の追突や脱線につながるおそれがあったとして、詳しい原因を調べています。

  またJR北海道は、同じシステムがあるほかの車両についても調査を行っていて、これまでのところ異常は見つかっていないということです。

  JR北海道では補修が必要なレールの異常が放置されていたことが発覚するなど、安全運行の根幹を揺るがす事態が相次いでいて、JR北海道の豊田誠鉄道事業本部長は「たび重なるトラブルのなか、このような事態となり、重ねて、重ねておわび申し上げます」と陳謝しました。