各地へ出向いて戦争体験を語る「館外講話」と呼ばれる活動

  沖縄戦で負傷した兵士の看護などに動員され多くの犠牲者を出した「ひめゆり学徒隊」の元学徒たちが、各地へ出向いて戦争体験を語る「館外講話」と呼ばれる活動が、元学徒の高齢化から終了することになり、沖縄県糸満市で最後の活動が行われました。

  ひめゆり学徒隊の元学徒たちは、過酷な体験を次の世代に伝えようと主に修学旅行生を対象に沖縄県内の各地に出向いて館外講話を行ってきましたが、高齢になり負担が大きいとして今月で活動を終えることになりました。

  28日、糸満市ひめゆり学徒隊の元学徒、上原当美子さん(85)が、愛知県から修学旅行に訪れた高校生たちに最後の館外講話を行いました。

  上原さんはけがをした友人が家族の名前を呼びながら亡くなった状況を語り「戦争を起こすのもやめるのも人間です。悲惨な戦争を繰り返さないためにどうすればよいのか考えてほしい」と呼びかけていました。

  元学徒たちは今後は場所をひめゆり平和祈念資料館に限定して、講話を続けていくことにしています。最後の館外講話を終えた上原さんは「残念な気持ちはありますが、資料館での講話で平和の大切さを伝えていきたい」と話していました。