アメリカの情報機関による個人情報の収集を告発

  アメリカの情報機関による個人情報の収集を告発したCIA=中央情報局の元職員に、ロシア政府が1年間の亡命を認めたことについて、引き渡しを求めてきたアメリカでは、有力議員の間からロシアとの関係を見直すべきだという声が上がっており、オバマ大統領は、国内世論の動向も考慮しながら、今後の対応を決める方針です。

  モスクワの空港に1か月以上にわたってとどまっていたCIAの元職員、エドワード・スノーデン容疑者について、ロシア政府は1日、1年間の亡命を認めたことを発表し、元職員は空港を出てロシアに入国しました。

  これについてロシア政府の高官は、米ロ両国の関係に影響を及ぼすものではないとしていますが、アメリカ、ホワイトハウスの報道官は失望感を示すとともに、来月の開催で米ロ両国が合意した首脳会談を見送る可能性を示唆しています。

  ロシア政府の今回の決定について、アメリカ議会上院の外交委員会のメネンデス委員長が「米ロ関係の後退だ」とする声明を発表したのに続いて、共和党の重鎮、マケイン議員も「ロシアの行動はアメリカを侮辱するもので、根本的に関係を見直すべきだ」と主張するなど有力議員の間から非難する声が上がっています。

  アメリカで、1日、発表された最新の世論調査では、3人に1人が、機密情報を漏えいしたスノーデン元職員はアメリカを裏切ったと回答しており、オバマ大統領は国内世論の動向も考慮しながら今後の対応を決める方針です。