指導が背景にあると疑われるのに適切な調査

  鹿児島県や広島県などで自殺した中学生や高校生の遺族が文部科学省を訪れ、いじめや教員による指導が背景にあると疑われるのに適切な調査が行われていないとして、公平で中立な調査を実現するよう教育委員会への指導を要望しました。

  文部科学省を訪れたのは、おととしからことしにかけて、みずから命を絶った鹿児島県、広島県、奈良県、それに滋賀県と新潟県の5人の生徒の遺族で、一人一人用意してきた要望書を担当者に手渡しました。

  要望書では、自殺の背景に学校でのいじめや教員による指導があったと疑われるものの適切な調査が行われておらず、原因究明のための生徒へのアンケートを行わなかったり、結果を開示しなかったりするケースがあると指摘しています。

  そのうえで、公平で中立な調査を実現するなど真相の究明と再発防止を徹底するよう各地の教育委員会への指導を求めています。

  中学1年生の孫を亡くした鹿児島県出水市の男性は、「生徒たちは『アンケートにいじめのことを書いた』というのに、教育委員会はいじめとの因果関係は確認できなかったと結論づけた。アンケート結果を見せて欲しい」と訴えていました。

  文部科学省では教育委員会に改めて適切な対応を求めるとともに、来月施行される「いじめ防止対策推進法」の基本方針を議論するなかで、要望を参考にしたいとしています。